最近の一枚










エチゼンカンアオイ 越前寒葵 ( ウマノスズクサ科 カンアオイ属 )


2月初め。まだ眠れる林床。何もないねと見ていたらありました。
 例年は雪の下にあったのでしょう。(今年は驚くほど雪が降りませんでした。)
 秋の頃から咲いていたのでしょう。
わたしのフィールド(福井県嶺北地方)でよく見かけるカンアオイです。
 
暗紫色の花、葉柄が紫褐色であること、2月初めに花があること、見つけた地域などから、 
 カントウカンアオイ系のエチゼンカンアオイであると思います。

 ( 2019 . 2 . 5 )
 


一か月後に追加観察。
 

 葉は大きいもので長さ9cm弱くらいでした。
 


 
 



 
 



 
 



 
 
( 2019 . 3 . 5 )

エチゼンカンアオイの花期は9〜11月。 花は翌年の梅雨時頃までそのままの形だそうです。
富山〜京都の日本海側の山地の林内に見られるとのこと。
 

 
*  福井県で見られるカンアオイ属(Heterotropa )の比較 *
 
   カントウカンアオイ(Heterotropa nipponica )系  
 ヒメカンアオイ
 (Heterotropa takaoi
 (Asarum takaoi
   
  エチゼンカンアオイ
 (var.echizen
 
 ハルザキエチゼンカンアオイ
 (var.vernalis
 
 ナタデラカンアオイ
 (var.natadera
 花期  9〜11月  12月末〜3月  3〜4月  2〜3月
 分布  富山県〜京都府 福井県(敦賀半島)、滋賀県(湖北)  福井・石川両県境〜石川県南部  中部、近畿、四国
 葉  葉柄は紫褐色    葉色は緑っぽく
葉柄はエチゼンに比べはるかに薄い茶褐色で緑色となるものが多い
 葉柄は暗紫〜淡緑褐色

葉の先端は鈍頭
 花(ガク)  暗紫色    花は紫色がぬけて黒褐色のものが多い 淡紫褐色
名前の由来など   福井県(越前)で発見され
福井県を中心に分布
花部や葉はエチゼンカンアオイとほとんど違いはないが
開花時期が遅い
 
 分布地の中心にある那谷寺の名を取り命名 やや小型のカンアオイ
 
 日本海側のカントウカンアオイ系の植物について、福井総合植物園名誉園長の若杉先生の2018年の論文
「日本海側の一地域からの報告 植物地理・分類研究 66(2):103-110(2018)」 を参考にさせていただきました。