ホクリクタツナミソウについて




近年確認された新変種であるため図鑑やネット情報が少ないように思いますので、
参考までに手持ちのデータを。




* 福井新聞 ( 2005. 5. 14付 ) より *


北陸を中心に日本海側の林野に自生するシソ科タツナミソウ属の植物について、
福井総合植物園プラントピアの若杉孝生園長がタツナミソウ属の新たな変種であることを確認し、
「ホクリクタツナミソウ」と名付けた。植物分類の専門誌で発表した。

若杉園長は約10年前から、県内で見られるタツナミソウ属のコバノタツナミについて
●葉が「コバノ」に比べ大きい
●「コバノ」は海岸部に自生するが、本県では林野に自生している
などから「コバノ」とは違う種ではないかと疑い、調査を続けていた。

富山大理学部の鳴橋直弘教授と協力し、全国の分布状況を調査・研究。
 その結果、新潟県から鳥取県にかけての日本海側に自生し、従来「コバノ」と思われていた植物は、 
タツナミソウの新たな変種であることが分かり、ホクリクタツナミソウと命名した。

ホクリクタツナミソウは高さ10〜15cmで、5〜6月に淡い紫色の花を咲かせる。
葉の大きさは2〜2.5cmと、「コバノ」の2倍ほどある。
「コバノ」の花にある大きな斑点が、ホクリクタツナミソウにはないことが多いという。






* 福井総合植物園プラントピアに展示してあった資料より *


ホクリクタツナミソウと近縁種の比較


ホクリクタツナミソウ
S.indica.var.satocoae
コバノタツナミ
S.indica.var.parvifolia
デワノタツナミソウ
S.muramatsui
下唇上の斑点 小さな紫点があるかない 大きな紫点がある 小さな紫点があるかない
茎の基部 ほふくする 斜上 ほふくする
茎の稜 わずかに発達する はっきりとした稜がある わずかに発達する
茎毛 濃く長く密にある 濃く長く密にある 短い曲毛がわずかにある
葉の長さ 20〜25mm 8〜12mm 20〜25mm
葉の広さ 15〜25mm 8〜12mm 15〜25mm
葉の鋸歯数 9〜15 7〜11 11〜17
葉表面の毛 密に柔毛がある 密に柔毛がある 葉脈上にわずかに軟毛がある
小堅果の長さ 1.5〜1.7mm 1〜1.2mm 1.5〜1.7mm




福井県内の各所でホクリクタツナミソウに出会いました。
よろしければ写真などをご覧ください。こちらです。


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